【オートバイ】KAWASAKI W1SAのフューエル(ガソリン)タンク&フューエル(燃料)コックの洗浄、クラッチ板の張付き解除など
前回の積み残し事項(ガソリンタンクの錆取りなど)を解消すべく、W1SAに必要なパーツや資機材を集めて、自己流で洗浄・整備などをしてみましたので、少し時間が経ってしまいましたが、今回それらをまとめてみました。
↓参考記事:前回までの経緯
中性洗剤でのタンク内洗浄 花咲かGタンククリーナーで錆取り ワコーズ(Wako's)タンクライナーで内部コーティング ガソリンタンク内の状態確認
まずは、ガソリンタンクを車体から取り外し、さらにフューエルコックも取り外します(ガソリンが少し残っていたので捨てました。)。
次に従前と同様にビニールテープで作成した栓で、フューエルコックがついていた穴を塞ぎ、家庭用の中性洗剤でドバッと入れて、洗浄が早く進むようにヤカンで沸かしたお湯を入れてシェイクしました。
↓これを2回繰り返した後、ドライヤーで粗めに乾燥させ、内視鏡カメラ(PCやスマホで確認できる)で内部の様子を確認しました。

タンク上部の方が錆の発生がすごそうでした。
続いて、タンク内の錆を除去するため、タンクキャップを取り外し、15Lタンク容量に相応した量の「花咲かGタンククリーナー」とお湯を満タンになるまで入れます(花咲かGの投入量は、約740mlになるかと思います。)。
↓購入した花咲かG。

化学反応を促進するため、できるだけ保温できそうな発泡スチロール箱に24時間入れて放置しました。
1日おいた後の液体の色は以下のように錆で茶色くなっていました。

なお、この錆取り溶液は、再度使えるので、20Lのポリタンクと漏斗とフィルターを用意して、そこに保存しました。
24時間後のガソリンタンク内の様子を見てみたところ、給油口から見えるところは錆がだいぶ取れている感じがしましたが、タンク底にはだいぶ錆が残っているようでしたので、さらに1週間放置することとしました。
↓約24時間後のタンク給油口付近の写真です(わりと錆が取れているようにみえます)。

1週間後にタンクの内部を確認したところ、錆がほとんどなく、点状の黒錆がポツリポツリとある程度でした。
↓タンクの底から撮影したサンプル写真です。

次にいよいよコーティングを開始します。
まずは、タンク内部の水分が一滴も残らないようにドライヤーで乾燥させます。
続いて、今後タンク内で錆が発生するのを防ぐために、内部を「ワコーズ TAL タンクライナー」でコーティングします。
これの使い方は、付属していた説明書に書いてありますが、簡単に書くと、原液と硬化剤を混ぜてタンク内入れ、上下左右にこねくり回して、内部にコーティング剤の膜を形成させる感じです。
余った液体は底に溜まるので、付属している注射器で吸い出すようです。
↓早速、タンクライナーを使ってみました(順を追って写真を貼り付けます)。

↓撹拌が不十分だと硬化しなかったりするらしいので、5分くらいかんまし(かき回し)ます。

↓コーティング剤が流れ出ないようにマスキングテープで開口部を養生します。


↓コーティング剤を給油口から入れた後、強力粘着テープで塞ぎます。

コーティング剤を満遍なくタンク内に行き渡らせるため、タンクをくるくると回していたら、給油口部分から少しコーティング剤が漏れてきましたが、マスキングテープで養生していたおかげでタンクに付着することはありませんでした。
↓タンク内の液体の流れを感じつつ、全ての内面を覆ったように感じたら、給油口からテープを剥がし、注射器で余剰分を吸い出します。

この余剰分をこのまま捨てるのは勿体無いので、給油口直下の「筒」、給油口の「縁」、タンクキャップのコーティングに加えて、燃料コックのリザーブ側フィルターの接着部として利用しました。
なお、混合コーティング剤を150ml入れたので、取説によるとこの場合は100ml注射器で吸い出すことができるとのこと。
ただ、Wのタンクは取説で想定しているようなタンクとは違って、表面積が広いからか、どんなに頑張っても75mlくらいしか吸い出せませんでした。
塗り終えたガソリンタンクは、ドライヤーとダンボール温室で、硬化剤が固まり始める70度から80度で20分程度放置します(温度計を突き刺して箱内の温度を計測。大体70度くらいでした。)。↓


錆に対する信頼性向上のために、ガソリンタンクが常温になったら、上記と同様の手順で、2回目のコーティングを実施しました。
↓タンクの錆び取り前から、2回目のコーティングを終えるまでのガソリンタンク内の様子を記録した映像です。
だいぶ綺麗に仕上がったのではないかと思います。念のため、ガソリンはすぐに入れず、24時間くらい自然乾燥で放置することとしました。
これで一通りガソリンタンク関係は終了したいと思います。
↓今回、ガソリンタンクの整備で使用した商品です。
右のコックは数年前に新品に取り替えたばかりなので、そのまま使えそうなので今回は洗浄するのみとしますが、左のコックは生産当時の約50年前の製品のままです。
インターネットで左のフューエルコックの純正品を購入しようとしたところ、2万円以上という価格をみて断念しました。右のコックはこんなに高かったけかなぁ。。。?
なので、今回は少ない知恵を振り絞って、両方のコックを洗浄するとともに、左のコックをリビルドしていきたいと思います。
両方のコックをキレイにするため、それぞれ別々の容器に入れ、キャブクリーナーでジャブ漬けにしました。↓

左側のコックのパッキン類については、ネットで購入したリビルドキットで整備し直しました。↓

リザーブとONの吸込み口についていた、筒状のコックフィルターもYAMAHAのXS-1用のモノを使うことにしました。↓

その後、パーツクリーナーで洗浄し、元の状態に戻しました。↓


上の写真で、お気づきでしょうが、左のコックのON側の金属菅が腐食しており、ONでもリザーブでも変わらない状態になっています。
そこで、この穴をハンダとハンダごてで塞いでいきます。
ハンダを潰して面状にして貼り付けるようにくっつけてみました。その後、パーツクリーナーで穴から漏れていないことを確認しました。↓


また、最終的にフィルターを接着する部分については、1ポツで記載した「ワコーズ TAL タンクライナー」でコーティングしました。↓


プライマリーチェーンケースは以下の写真の赤丸部分です。オイルのドレンボルトは、ケースの下部についています。↓


このケースは、プラスネジで固定されているので、開ける際には、ネジ穴がナメないように、ラスペネをあらかじめ吹き付けて、その後インパクトドライバーで衝撃を与えながらネジを緩めていきます。
取り外したネジは、位置ごとに長さが異なるため、ダンボールなどを用いて、ネジのポジションを記録しておきます。
開封した様子です。固着してしまったクラッチは赤丸部分にあります。↓

マイナスドライバーを、クラッチ板と金属板の間に差し込み、軽くコツコツと叩いて固着を剥がしました。
次に、元の状態にするために専用のガスケットと液体ガスケットをつけてネジを閉めていきます。
液体ガスケットは、「専用のガスケット」と「取り外したケース」側に多めに塗布します。
なお、専用のガスケットはネットで三千円くらいで購入できます。↓

全てネジを締め終えたら、シフトペダルを元に戻して、チェーンケースの給油口からスピンドルオイルを500cc投入しましたが、だいぶシャバシャバでガスケットから漏洩してきてしまったので、10W-40のエンジンオイルに入れ替えました。(汗
スロージェットやニードルなど、燃調キットの予備もあるので、この辺は気長に調整していきたいと思います。
一番めんどくさいのは油面の調整なのですが、これはもう感覚頼りなので、最近はティクラーを押した時に少しフロートにコツンと当たる感触があればOKだと思っています。
進捗やトラブルがあったら、また記事としてしたためたいと思います。
↓参考記事:前回までの経緯
【オートバイ】KAWASAKI W1SAのリチウムイオンバッテリーへの交換など
現在所有している「KAWASAKI W1SA」を最後に整備してから2年くらい放置していたので、現在の状態などを確認し、必要そうなアイテムを揃えてみることとしました。...
●KAWASAKI W1SAの燃料油系整備のまとめ●
1.W1SAのガソリンタンクの錆取り&コーティング
以下の手順で進めていきたいと思います。まずは、ガソリンタンクを車体から取り外し、さらにフューエルコックも取り外します(ガソリンが少し残っていたので捨てました。)。
次に従前と同様にビニールテープで作成した栓で、フューエルコックがついていた穴を塞ぎ、家庭用の中性洗剤でドバッと入れて、洗浄が早く進むようにヤカンで沸かしたお湯を入れてシェイクしました。
↓これを2回繰り返した後、ドライヤーで粗めに乾燥させ、内視鏡カメラ(PCやスマホで確認できる)で内部の様子を確認しました。

タンク上部の方が錆の発生がすごそうでした。
続いて、タンク内の錆を除去するため、タンクキャップを取り外し、15Lタンク容量に相応した量の「花咲かGタンククリーナー」とお湯を満タンになるまで入れます(花咲かGの投入量は、約740mlになるかと思います。)。
↓購入した花咲かG。

化学反応を促進するため、できるだけ保温できそうな発泡スチロール箱に24時間入れて放置しました。
1日おいた後の液体の色は以下のように錆で茶色くなっていました。

なお、この錆取り溶液は、再度使えるので、20Lのポリタンクと漏斗とフィルターを用意して、そこに保存しました。
24時間後のガソリンタンク内の様子を見てみたところ、給油口から見えるところは錆がだいぶ取れている感じがしましたが、タンク底にはだいぶ錆が残っているようでしたので、さらに1週間放置することとしました。
↓約24時間後のタンク給油口付近の写真です(わりと錆が取れているようにみえます)。

1週間後にタンクの内部を確認したところ、錆がほとんどなく、点状の黒錆がポツリポツリとある程度でした。
↓タンクの底から撮影したサンプル写真です。

次にいよいよコーティングを開始します。
まずは、タンク内部の水分が一滴も残らないようにドライヤーで乾燥させます。
続いて、今後タンク内で錆が発生するのを防ぐために、内部を「ワコーズ TAL タンクライナー」でコーティングします。
これの使い方は、付属していた説明書に書いてありますが、簡単に書くと、原液と硬化剤を混ぜてタンク内入れ、上下左右にこねくり回して、内部にコーティング剤の膜を形成させる感じです。
余った液体は底に溜まるので、付属している注射器で吸い出すようです。
↓早速、タンクライナーを使ってみました(順を追って写真を貼り付けます)。

↓撹拌が不十分だと硬化しなかったりするらしいので、5分くらいかんまし(かき回し)ます。

↓コーティング剤が流れ出ないようにマスキングテープで開口部を養生します。


↓コーティング剤を給油口から入れた後、強力粘着テープで塞ぎます。

コーティング剤を満遍なくタンク内に行き渡らせるため、タンクをくるくると回していたら、給油口部分から少しコーティング剤が漏れてきましたが、マスキングテープで養生していたおかげでタンクに付着することはありませんでした。
↓タンク内の液体の流れを感じつつ、全ての内面を覆ったように感じたら、給油口からテープを剥がし、注射器で余剰分を吸い出します。

この余剰分をこのまま捨てるのは勿体無いので、給油口直下の「筒」、給油口の「縁」、タンクキャップのコーティングに加えて、燃料コックのリザーブ側フィルターの接着部として利用しました。
なお、混合コーティング剤を150ml入れたので、取説によるとこの場合は100ml注射器で吸い出すことができるとのこと。
ただ、Wのタンクは取説で想定しているようなタンクとは違って、表面積が広いからか、どんなに頑張っても75mlくらいしか吸い出せませんでした。
塗り終えたガソリンタンクは、ドライヤーとダンボール温室で、硬化剤が固まり始める70度から80度で20分程度放置します(温度計を突き刺して箱内の温度を計測。大体70度くらいでした。)。↓


錆に対する信頼性向上のために、ガソリンタンクが常温になったら、上記と同様の手順で、2回目のコーティングを実施しました。
↓タンクの錆び取り前から、2回目のコーティングを終えるまでのガソリンタンク内の様子を記録した映像です。
だいぶ綺麗に仕上がったのではないかと思います。念のため、ガソリンはすぐに入れず、24時間くらい自然乾燥で放置することとしました。
これで一通りガソリンタンク関係は終了したいと思います。
↓今回、ガソリンタンクの整備で使用した商品です。
2.W1SAのフューエルコックの部品取替&洗浄
次にガソリンタンクからフューエルコックを取り外していきたいと思います。右のコックは数年前に新品に取り替えたばかりなので、そのまま使えそうなので今回は洗浄するのみとしますが、左のコックは生産当時の約50年前の製品のままです。
インターネットで左のフューエルコックの純正品を購入しようとしたところ、2万円以上という価格をみて断念しました。右のコックはこんなに高かったけかなぁ。。。?
なので、今回は少ない知恵を振り絞って、両方のコックを洗浄するとともに、左のコックをリビルドしていきたいと思います。
両方のコックをキレイにするため、それぞれ別々の容器に入れ、キャブクリーナーでジャブ漬けにしました。↓

左側のコックのパッキン類については、ネットで購入したリビルドキットで整備し直しました。↓

リザーブとONの吸込み口についていた、筒状のコックフィルターもYAMAHAのXS-1用のモノを使うことにしました。↓

その後、パーツクリーナーで洗浄し、元の状態に戻しました。↓


上の写真で、お気づきでしょうが、左のコックのON側の金属菅が腐食しており、ONでもリザーブでも変わらない状態になっています。
そこで、この穴をハンダとハンダごてで塞いでいきます。
ハンダを潰して面状にして貼り付けるようにくっつけてみました。その後、パーツクリーナーで穴から漏れていないことを確認しました。↓


また、最終的にフィルターを接着する部分については、1ポツで記載した「ワコーズ TAL タンクライナー」でコーティングしました。↓


3.W1SAのクラッチ板の張付きの解除
ガソリンタンクの乾燥と並行して、クラッチ板の張付きを解消するために、シフトペダルを取り外し、内部のオイルを抜き、プライマリーチェーンケースを開けました。プライマリーチェーンケースは以下の写真の赤丸部分です。オイルのドレンボルトは、ケースの下部についています。↓


このケースは、プラスネジで固定されているので、開ける際には、ネジ穴がナメないように、ラスペネをあらかじめ吹き付けて、その後インパクトドライバーで衝撃を与えながらネジを緩めていきます。
取り外したネジは、位置ごとに長さが異なるため、ダンボールなどを用いて、ネジのポジションを記録しておきます。
開封した様子です。固着してしまったクラッチは赤丸部分にあります。↓

マイナスドライバーを、クラッチ板と金属板の間に差し込み、軽くコツコツと叩いて固着を剥がしました。
次に、元の状態にするために専用のガスケットと液体ガスケットをつけてネジを閉めていきます。
液体ガスケットは、「専用のガスケット」と「取り外したケース」側に多めに塗布します。
なお、専用のガスケットはネットで三千円くらいで購入できます。↓

全てネジを締め終えたら、シフトペダルを元に戻して、チェーンケースの給油口からスピンドルオイルを500cc投入しましたが、だいぶシャバシャバでガスケットから漏洩してきてしまったので、10W-40のエンジンオイルに入れ替えました。(汗
4.今後の積み残し事項
今後は、新たなオイル漏れ箇所がないかどうかを確認しつつ、左のマフラーから少し黒煙が出ていたのでキャブレターの燃調の調整が必要になると思っています。スロージェットやニードルなど、燃調キットの予備もあるので、この辺は気長に調整していきたいと思います。
一番めんどくさいのは油面の調整なのですが、これはもう感覚頼りなので、最近はティクラーを押した時に少しフロートにコツンと当たる感触があればOKだと思っています。
進捗やトラブルがあったら、また記事としてしたためたいと思います。
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