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【メグロ再び】Kawasaki モーターサイクルが「MEGURO K3」の販売を発表~カワサキ&目黒製作所~

2020/11/21
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 グロブランドとしては、約50年ぶりに新車種が出るとのプレスリリースが、2020年11月17日にKawasaki モーターサイクルからなされました。

 その名も「MEGURO K3」!!


 現在、当方が所有している「KAWASAKI W1SA」は、かつて存在したオートバイメーカー・目黒製作所が川崎航空機工業(現在の川崎重工業)の傘下に入ってから、カワサキメグロブランドとして販売した「カワサキ500メグロK2」を起源とするオートバイです。

 このため、以前の記事でもメグロがW1の上流にある旨はちょろっと書いておりましたが、せっかくなので、「そもそもメグロとは何か?」をはじめ、そのスペック、販売日等についてまとめてみたいと思います。

 また、2020年11月20日~24日の期間に「カワサキ プラザ東京等々力」で開催されたMEGURO K3の店頭特別展示イベントに行ってきましたので、その様子等についてもちょろっとまとめてみます。





1.そもそもメグロ(MEGURO)とは?

 meguro_1941-1

 カタカナで「メグロ」というロゴが目立ちますが、こちらは1924年(大正13年)に創業した目黒製作所のブランドロゴになります。

 目黒製作所は、国内初の大型排気量のオートバイメーカーで、初めは設立者の一人である鈴木高次氏の名前から「鈴木鉄工所」という名前の会社でした。

 その設立の際には、オートバイのメカニックをしていた村田延治氏(後の同社社長)が参加し、設立から2年ほど経過した1926年に、創業場所の近くの地名である「目黒」に因んで、「目黒製作所」という社名になりました。

 なお、村田氏は、徳川最後の将軍・徳川慶喜の十男である「勝精」の鉄工所で米国のハーレーダビッドソンを模倣した国産オートバイの製作に携わっていました。


 戦前から戦後も、当時としては大排気量の4ストロークエンジンのオートバイの生産を得意としておりました。

 また、実用的なオートバイのみならず、スポーツ・競技用の車種も生産し、オートレース事業への参画のほか、全日本オートバイ耐久ロードレース(浅間火山レース)でも好成績を納めました。
 浅間火山レース目黒製作所





2.目黒製作所から"カワサキ"メグロへ

 カワサキメグロlogo

 大排気量のオートバイの生産を得意としていた目黒製作所でしたが、時代が戦後の高度経済成長期に差し掛かってくると、通勤用として事足りる小排気量の車種の需要が高まってきました。

 特にホンダのスーパーカブは、現在でもとても有名な小型排気量の二輪車ですが、この時代からビジネスバイクとして重宝されるようになっています。


 目黒製作所は、ビジネスバイクの需要が増えて行く中でも、大排気量のオートバイの生産を続け、650ccのオートバイが警察車両として採用されるなど、一定の需要や生産の手応えはあったものの、小型のビジネスバイクブームを尻目に、売れる大型二輪車開発を模索した設備投資等が上手くいかず、1960年に、全国で知名度の高かったメグロのネームバリューを獲得し、二輪車市場の拡大を目論んでいた川崎航空機工業(後の川崎重工業)と業務提携することになりました。

 業務提携後、資本面&財政面で目黒製作所を支えてきた川崎航空機工業でしたが、二輪車市場での目黒製作所の業績は依然と下火の状態が続きました。

 その後、メグロへの投資によって川崎航空機工業の財政を圧迫しかねないことを恐れたからか、1962年(昭和37年)に目黒製作所の株式を半数取得し、翌年の1963年から目黒製作所を「カワサキメグロ製作所」として傘下に収めました。

 ですが、子会社としてのカワサキメグロ製作所も、業績悪化による事実上の財政破綻により、1964年に川崎航空機工業への吸収が決定的になり、明くる年の1965年にはついに社名から「メグロ」の名前が消えました。


 こうして目黒製作所は、戦前・戦後の時代を駆け抜け、約40年に渡る歴史に幕を閉じました。





3.メグロの終焉、そしてカワサキへの継承

 カワサキメグロ K2

 社名からは、メグロの文字は消えてしまいましたが、川崎航空機工業の製品ラインナップには、「カワサキ250・メグロSG」や「カワサキ500メグロ・K2」などといったメグロブランドは1969年まで残っていました(上記の写真中、YカバーはKAWASAKIロゴとなっていますが、ガソリンタンクはメグロのロゴが残っています。)。

 特にカワサキ500メグロ・K2は、カワサキのWシリーズの基盤となり、1966年から1974年にかけて「W1」、「W1S」、「W1SA」、「650RS(通称・W3)」といった車種が生産されました(W3は竹内力の主演映画にも登場しています。)。
 竹内力W3
 

 そして、1999年から現在の2020年までには、「W650」、「W400」、「W800」といった後継車種が生まれましたが、今回販売された「MEGURO K3」は、目黒製作所とカワサキメグロの歴史を経てWシリーズが生まれてきたのと同様に、最新のカワサキW800の2気筒バーチカルツインエンジンを踏襲して生まれたリバイバルブランドとなります。


 まさに、「メグロ 、再び」





4.MEGURO K3のスペック&販売日

 megurok3_ad

 MEGURO K3の販売予告は、2020年11月17日に発表されましたが、その際に車体の販売開始日は、翌年2021年2月1日と発表されました。

 写真を見る限り、現行のW800をベースとしつつ、メグロ"ロゴ"のデザインやサスペンションの見た目など、外観を大きく1960年台に近づけているような感じがします。

 さすがに、昔ながらのキックスターターや、右足チェンジペダル・左足ブレーキペダル、ドラムブレーキといった設備はないようで、前後ディスクブレーキ、フューエルインジェクションなど、現在の技術がそのまま使用されています。


 詳細なスペックについては、Kawasaki モーターサイクルのホームページに掲載されているため、一目瞭然でW800とほぼ同じであることがわかりますが、ハンドル幅がモトクロッサー並みに広いなど当時の雰囲気を再現するような仕上がりになっているという印象です。





5.カワサキ プラザ東京等々力でのMEGURO K3の展示

 製品発表と同時に、2020年11月20日~24日の期間に、カワサキ プラザ東京等々力でMEGURO K3の店頭展示があるという情報も得ましたので、早速その期間中に同所に行ってきました。

 

 尾山台駅から徒歩だと、10分程度でした。

 現地までのルートは以下のような感じです。

 ↓尾山台駅からスタート。目黒通り方面へ北上していきます。
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 ↓目黒通りへ左折すると目黒通りが見え、Kawasakiの文字も見えます。
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 ↓カワサキプラザのエントランスです。W800が見えました。
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 アルコール消毒を終え、店内に入っていきます。

 今年5月にオープンしたてとのことでしたので、内装はかなり綺麗です。
 
 ↓エントランス付近にW800。
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 ↓次に900 SUPER FOUR(通称Z1) のイエローボール版がありました(近くにZ900RSもありました。)。
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 ↓メグロK3のアパレルグッズ(帽子とTシャツ)も展示されていました。
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 次にいよいよ「MEGURO K3」の展示コーナーです。

 壇上に展示されていましたが、一般人の接触を避けるため、階段に写真を置くなど、壇上には上がれないようになっていました。

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 目黒製作所のオートバイということもあって、"目黒"通り沿いにある「カワサキプラザ等々力店」で店頭展示することにしたとのことです。

 目黒の地にこだわりを見せるという意味では、その話を聞いてなんだか納得しました。


 MEGURO K3の他にも、過去の目黒製作所のオートバイが2台ありました。

 ↓1つ目は、1954年式250cc「メグロジュニアS2」のカットモデルです。
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 ↓2つ目は、1965年製のカワサキメグロ500K2です。タンクエンブレムは、メグロのロゴとカワサキのロゴが混在しています。
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 ↓2気筒エンジンですが、この時代のキャブレターはシングルです(W1Sからツインキャブ。)。
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 カワサキの直営店ということでしたが、旧車が立ち並んでいたので、一昨年行った神戸のカワサキワールドの一角があるような感じでした。

 しかしながら、神戸のカワサキワールドは、オートバイ以外の列車や船などあるものの、メグロの展示まではなかったので、今回は貴重な体験ができたと思います。


 


6.特別記:目黒製作所の跡地探訪(現住所だとどの辺?)

 花の都・大東京が目黒の地でオートバイの生産を始めたことから、会社の社名が「目黒製作所なんだ!」というイメージが強いと思います。

 少し調べてみると、これは厳密には異なっていて、過去も現在も同製作所があった住所に「目黒」という地名は含まれていません。


 さて、目黒製作所の過去の住所と現在の住所はどうなっているのか?


 目黒製作所の跡地について、興味深いデータがWeb上に残っていたので、引用します。
 
 目黒製作所は東京府荏原郡大崎町桐が谷に1924年に創設された。
 戦後に大崎本町という町名になったが現在の住所でいうと西五反田4丁目32番、東京日産のある場所で「桐ケ谷斎場」に名称のなごりを残している。1960年までは環状6号側に正門があり、それから不動前駅までの敷地一体に工場建屋が並んでいた。経営者は二人、村田建治と鈴木高治で、その前身は村田の製作所で、勝伯爵の出資協力を得て赤坂の屋敷内に設置、米国製ハーレーJD1200ccを模したジャイアント号を製作したが、ハーレーの輸入車よりもコストが高くついたため3台のみ製作して商売とならずに終わった。
 2人は独立を考え、荏原製作所の工場などまだ工場地帯であった荏原郡に場所を設け、地域の地名を冠した製作所と命名することを決めた。その結果、目黒不動駅や競馬場に近いこと日本国有鉄道(現JR)の目黒駅名の宣伝効果を考え、目黒の名を社名に「目黒製作所」とすることになったのである。


  引用:M-BASE 第4回 メグロ 2012.2.29


 まぁ、自由が丘駅から徒歩5分の位置にある物件の住所が「世田谷区奥沢」でも、「○○自由が丘」といった建物名になっているケースが現在もあるので、このへんはしょうがないですよね。笑

 荏原製作所(現在は大田区)の感じもわかる気がします。笑


 さてさて、引用部分にもあるとおり、道路の区画整理等がこれまでにあったとはいえ、目黒製作所の跡地は、現在は東京日産の建物がある位置と類推されます。

 他に調べた限りでも、当時の目黒駅から西に進んで目黒川を越えて、「目蒲線」沿いの不動前駅に差し掛かるところに目黒製作所があるという情報は得ていましたので、だいぶ信憑性は高いと思います。


 参考までに、過去の地図と現在の地図を比較して、目黒製作所の位置と思しき箇所に赤丸(575という住所の部分)をつけてみましたのでご覧下さい。
 新旧地図比較_目黒製作所


 よく行く五反田駅から目黒製作所の跡地まで、夜の散歩をしてみましたので、写真を貼っていきます。

 ↓五反田駅から徒歩数分のところにある「本村橋(ほんむらばし)」から、目黒川に沿って、不動前駅方面に歩いていきます。
 目黒製作所跡地まで_3339

 目黒製作所跡地まで_3729


 ↓東急目黒線の線路が見えてきました。ここを線路沿いに左へ曲がっていきます。
 目黒製作所跡地まで_4205

 目黒製作所跡地まで_4445

 
 ↓環状6号線(山手通り)に差し掛かりました。ここを渡ります。ちなみに、最初の写真の右手奥に見えるのが「東京日産」の建物です。そこが目黒製作所があったとされる場所になります。
 目黒製作所跡地まで_4600

 目黒製作所跡地まで_4719


 ↓目黒製作所の正門があったと思われる山手通り沿いの東京日産2号館エントランス
 目黒製作所跡地まで_4817


 ↓創業の地の住所である「575」まで、線路沿いの道を進んで行きます。跡地だと思しき「575」の付近は、新車のひろばという場所っぽいです。
 目黒製作所跡地まで_4851

 目黒製作所跡地まで_4959


 ↓東京日産のレイアウト
 目黒製作所跡地まで_5057




終わりに

 目黒製作所は、会社としてはなくなってしまったものの、オートバイの開発技術等がカワサキに引き継がれ、今回のような過去のブランドにオマージュした製品開発がなされるのは、個人としては喜ばしいことです。


 外装だけ取り繕っているだけで、W800とほぼ同じじゃん!という意見も当然ながらあると思います。

 ただ、現在のカワサキの開発者にも、大排気量4サイクルエンジンの礎が「メグロ」にあるということを認識してもらえていたことが、今回の製品開発によって具現化され、消費者側としてもその礎を再認識できたのはセンセーショナルで良かったなぁーと思います。

 
 聖地巡礼というわけではないかと思いますが、目黒川や環状6号線をバックにメグロのオートバイの写真を撮ってみるのもいいかもしれませんね。

 

 良かったらこちらの記事も閲覧ください。
 

【オートバイ】KAWASAKI W1SAの修理状況、スペック、諸元など

30数年不動車の状態だったW1SAを、昨年の夏から、ちょくちょく直し、今回始動させてみましたので、それまでの経緯等をまとめてみたいと思います。...


 データ等を引用・参考としたWebサイト:
 👉メグロの部屋
 👉M-BASE 第4回 メグロ 2012.2.29




~Fin~







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