【持株】意外な事業で儲けてる?パチンコ・パチスロ遊技機メーカ「平和(6412)」のご紹介
普段パチンコホールなどを見ることがあっても、パチンコ台がどこで製造されているかまでは知らない方、多いと思います。
株価の急騰が何だか目に入ってきたので、国内有数の遊技機メーカである「平和(6412)」を今回ご紹介します。

平和は、遊技機であるパチンコ機・パチスロ機の開発、製造及び販売している企業です。
比較的有名な遊技機としては、ルパン三世シリーズや新日本プロレス関係の台があります。
また、遊技機関係以外にも、ゴルフ場を全国的に経営しています。
なお、ゴルフ事業については、2011年に傘下に置いたPGMホールディングス(株)(現 パシフィックゴルフマネージメント(株))が担っています。
PGMグループのゴルフ場は、北海道から沖縄まで全国各地に点在しており、ゴルフ好きの方々にはかなり馴染みがあると思います。
2021年3月1日時点で、運営しているゴルフ場の数は、合計 145 (18ホール換算 177.5コース、保有144ゴルフ場/リース運営1ゴルフ場) となっております。
管理しているゴルフ場が多いため、元来生業としていた遊技機の販売よりも圧倒的にゴルフ場経営による売上が多いのが特徴です。
現に、ゴルフ事業を始める前の2010年以前の3年間の純利益と比較して、それ以後の2011年から2020年の10年間の純利益の平均は、2倍近くとなっています。
2008 33億6500万
2009 17億1100万
2010 119億4700万
↓
2011~2020 201億8990万(10年平均)
また、2021年3月期第3四半期のデータでは、遊技機の売上が18,263百万円であることに対して、ゴルフ場の売上は57,845百万円であり、遊技機の約3倍売り上げているという状況です。
参考ですが、以下のとおり、俗にいう「安定している企業」です。
総資産 : 420,268百万円
純資産 : 222,703百万円
自己資本率 : 53.0%
1株当たり純資産 : 2,257.87円

まずは、この2020年から現在までのチャートを見てみましょう。

株価はコロナの影響が出る前までは、2,200円付近にいましたが、ご存知のように2020年の4月までに一気に下落しました。
その後、ワクチン開発の朗報が舞い込んできた2020年11月までは、軟調という状況でした。
しかし、ワクチン開発の朗報で上昇に転じると思いきや、11月の第2四半期の決算報告時に「2021年3月期は赤字かも。。。」ということを仄めかした影響からか、下落の傾きが大きくなりました。
その後、悪材料が出切った感があることと、年明けの相場全体の上昇気流に乗り、株価はジリジリと回復してきました。
さらに、3月の初めに、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が、平和の投資判断を従来の「ニュートラル(中立)」から「オーバーウエート(強気)」に、目標株価を同1990円から2520円に引き上げたという報道があり、さらなる買い材料となり、株価が大幅に上昇しました。
同証券は、遊技機というよりも、平和が多数抱えているゴルフ場の経営に着目し、22年3月期以降のゴルフが新たな収益拡大局面に入ると期待したようです。
ほかの競技者との接触がなく、青空の下で楽しめるゴルフは、3密がおのずと回避できるスポーツであると一般的に認識され始めたことにより、客足が戻ってきたこと、また新たに娯楽として始める人も増えてきたことが好材料となっていると判断したのでしょうかね。
なお、一般的にコロナショックと考えられるのは、日経平均株価が16,000円台に突入した2020年3月ですが、平和の場合は結果的に、最安値を迎えたのが、コロナショックから半年以上経過した今年の1月であり、その時の株価は1,382円でした(図中の黒い〇で示した箇所)。
一時コロナ禍の影響で、配当利回りが6%を超えているときがありましたが、現時点においても4%を超えているので、十分配当利回りとしては高いと思います。
配当金に至っては、今期は赤字予想であることから「無配」なのでは…とビクビクしていましたが、なんと今後の収益拡大を見込んでからか、これまで通り年間1株80円の配当金が維持されそうです。
これに加えて、最低必要株数を所有していれば、半年に一度2,000円分の優待券をゲットすることができます。
同優待券は、実際にゴルフ場で使用しなくても、8割近くの価格で換金できるときもあるので、200株所有している場合、実質2割税引き前の4,000円の配当金がもらえると考えれば、年間12,000円(税抜)のパッシブインカム(ふろ~しょとく)とみなすことができます。
したがって、現在株価での総合利回りは、「6.13%」となります。
参考ですが、昨年の夏頃に同優待制度については、最低必要株数が100株から200株へ、貰える割引券が2枚から1枚へ、割引券の割引料が1枚4,000円から1,000円へと変更になっております(減配ではなく、改悪にしたのね(涙))。
いわゆる「優待内容の改悪」と呼ばれる事象が起きてしまったので、自分を含めて優待目的の株主からは落胆の声が多数上がっていました。
株価については、相場全体の波に乗ってきていることと、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の強気な投資判断の影響もあって、半ば強制的に吊り上がってきている状況です。
また、配当金もコロナ禍の影響があったにもかかわらず、前年度と同じ金額を維持しています。
株主優待はグレードダウンしたものの、換金性が良いため、配当金を含めた総合利回りの観点だと、6%を超える高水準にあります。
事業内容が、ギャンブル製品の製造のため、依存という意味ではなんとなくタバコと似たような雰囲気を持つ銘柄です。
一見、将来性がなさそうな銘柄ですが、コロナ禍でもパチンコホールを求めて他県まで移動するお客さんがいるのを見ると、2021年3月期の最終決算報告で黒字になっていることを期待したくなります。
ですが、遊技機よりもゴルフ場経営による収益のほうが多いため、同社はパチンコからゴルフへ業態変換していると見てよいでしょう。そこがファンドにも評価されています。
一方で、2018年の「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則」により、新規則に適合するパチンコ・パチスロ台を各ホールに納入する予定があるので、遊技機の未来もそこまで閉ざされていないかもしれません。
また、日本にカジノを造るとなったら、セガサミーなどを含めた遊技機メーカーが台頭してきますしね。
いずれにせよ、PER基準の目標株価が2,500円であることを踏まえると、大きな外乱がなければまだまだ「買い」のような気がします。
余談ですが、1949年に、群馬県桐生市にてメダル式・パチンコ機の製造・販売を始めた「平和商会」が、現在の平和の前身に当たります。
これが、平和のオリジンです。
その後も伊勢崎市に工場を構えるなど、群馬県にはとても所縁ある企業です。
ちなみに、「フィーバー」で有名なSANKYOも、ルーツは平和と群馬にあります。
~Fin~
株価の急騰が何だか目に入ってきたので、国内有数の遊技機メーカである「平和(6412)」を今回ご紹介します。
●平和(6412)の簡単な紹介●
1.平和(6412)の概要

平和は、遊技機であるパチンコ機・パチスロ機の開発、製造及び販売している企業です。
比較的有名な遊技機としては、ルパン三世シリーズや新日本プロレス関係の台があります。
また、遊技機関係以外にも、ゴルフ場を全国的に経営しています。
なお、ゴルフ事業については、2011年に傘下に置いたPGMホールディングス(株)(現 パシフィックゴルフマネージメント(株))が担っています。
PGMグループのゴルフ場は、北海道から沖縄まで全国各地に点在しており、ゴルフ好きの方々にはかなり馴染みがあると思います。
2021年3月1日時点で、運営しているゴルフ場の数は、合計 145 (18ホール換算 177.5コース、保有144ゴルフ場/リース運営1ゴルフ場) となっております。
管理しているゴルフ場が多いため、元来生業としていた遊技機の販売よりも圧倒的にゴルフ場経営による売上が多いのが特徴です。
現に、ゴルフ事業を始める前の2010年以前の3年間の純利益と比較して、それ以後の2011年から2020年の10年間の純利益の平均は、2倍近くとなっています。
2008 33億6500万
2009 17億1100万
2010 119億4700万
↓
2011~2020 201億8990万(10年平均)
また、2021年3月期第3四半期のデータでは、遊技機の売上が18,263百万円であることに対して、ゴルフ場の売上は57,845百万円であり、遊技機の約3倍売り上げているという状況です。
参考ですが、以下のとおり、俗にいう「安定している企業」です。
総資産 : 420,268百万円
純資産 : 222,703百万円
自己資本率 : 53.0%
1株当たり純資産 : 2,257.87円
2.現時点の平和の株式情報等

まずは、この2020年から現在までのチャートを見てみましょう。

株価はコロナの影響が出る前までは、2,200円付近にいましたが、ご存知のように2020年の4月までに一気に下落しました。
その後、ワクチン開発の朗報が舞い込んできた2020年11月までは、軟調という状況でした。
しかし、ワクチン開発の朗報で上昇に転じると思いきや、11月の第2四半期の決算報告時に「2021年3月期は赤字かも。。。」ということを仄めかした影響からか、下落の傾きが大きくなりました。
その後、悪材料が出切った感があることと、年明けの相場全体の上昇気流に乗り、株価はジリジリと回復してきました。
さらに、3月の初めに、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が、平和の投資判断を従来の「ニュートラル(中立)」から「オーバーウエート(強気)」に、目標株価を同1990円から2520円に引き上げたという報道があり、さらなる買い材料となり、株価が大幅に上昇しました。
同証券は、遊技機というよりも、平和が多数抱えているゴルフ場の経営に着目し、22年3月期以降のゴルフが新たな収益拡大局面に入ると期待したようです。
「パチンコ」から「ゴルフ」へ業態転換で、株価が上がる企業の名前(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
…2回目の緊急事態宣言中、飲食店が営業短縮するなか、通常どおりの営業を続けるパチンコ店がほとんどだった。にもかかわらず、売上げは「前年の…
ほかの競技者との接触がなく、青空の下で楽しめるゴルフは、3密がおのずと回避できるスポーツであると一般的に認識され始めたことにより、客足が戻ってきたこと、また新たに娯楽として始める人も増えてきたことが好材料となっていると判断したのでしょうかね。
なお、一般的にコロナショックと考えられるのは、日経平均株価が16,000円台に突入した2020年3月ですが、平和の場合は結果的に、最安値を迎えたのが、コロナショックから半年以上経過した今年の1月であり、その時の株価は1,382円でした(図中の黒い〇で示した箇所)。
3.平和(6412)の配当金&株主優待
現在、同社が公表している配当金、株主優待等は、以下のとおりです。 株価:1,956円 (2021年3月19日時点)
最低投資金額:19.56万円
配当金額:80円
配当利回り:4.09%
株主優待:同社ゴルフ場割引券(年2回)
最低投資金額:19.56万円
配当金額:80円
配当利回り:4.09%
株主優待:同社ゴルフ場割引券(年2回)
- 200株以上300株未満:2枚
- 300株以上400株未満:3枚/1回
- 400株以上500株未満:4枚/1回
- 500株以上600株未満:5枚/1回
- 600株以上700株未満:6枚/1回
- 700株以上800株未満:7枚/1回
- 800株以上 :8枚/1回(上限)
一時コロナ禍の影響で、配当利回りが6%を超えているときがありましたが、現時点においても4%を超えているので、十分配当利回りとしては高いと思います。
配当金に至っては、今期は赤字予想であることから「無配」なのでは…とビクビクしていましたが、なんと今後の収益拡大を見込んでからか、これまで通り年間1株80円の配当金が維持されそうです。
これに加えて、最低必要株数を所有していれば、半年に一度2,000円分の優待券をゲットすることができます。
同優待券は、実際にゴルフ場で使用しなくても、8割近くの価格で換金できるときもあるので、200株所有している場合、実質2割税引き前の4,000円の配当金がもらえると考えれば、年間12,000円(税抜)のパッシブインカム(ふろ~しょとく)とみなすことができます。
したがって、現在株価での総合利回りは、「6.13%」となります。
参考ですが、昨年の夏頃に同優待制度については、最低必要株数が100株から200株へ、貰える割引券が2枚から1枚へ、割引券の割引料が1枚4,000円から1,000円へと変更になっております(減配ではなく、改悪にしたのね(涙))。
いわゆる「優待内容の改悪」と呼ばれる事象が起きてしまったので、自分を含めて優待目的の株主からは落胆の声が多数上がっていました。
株主の皆様に当社グループが展開する事業への理解を深めていただくとともに、当社株式への投資魅力を高め、より多くの株主様に中長期的に当社株式を保有していただくことを目的として株主優待制度を導入しております。
4.まとめ
平和の事業内容、株価、配当金、優待情報などをまとめてみました。株価については、相場全体の波に乗ってきていることと、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の強気な投資判断の影響もあって、半ば強制的に吊り上がってきている状況です。
また、配当金もコロナ禍の影響があったにもかかわらず、前年度と同じ金額を維持しています。
株主優待はグレードダウンしたものの、換金性が良いため、配当金を含めた総合利回りの観点だと、6%を超える高水準にあります。
事業内容が、ギャンブル製品の製造のため、依存という意味ではなんとなくタバコと似たような雰囲気を持つ銘柄です。
一見、将来性がなさそうな銘柄ですが、コロナ禍でもパチンコホールを求めて他県まで移動するお客さんがいるのを見ると、2021年3月期の最終決算報告で黒字になっていることを期待したくなります。
ですが、遊技機よりもゴルフ場経営による収益のほうが多いため、同社はパチンコからゴルフへ業態変換していると見てよいでしょう。そこがファンドにも評価されています。
一方で、2018年の「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則」により、新規則に適合するパチンコ・パチスロ台を各ホールに納入する予定があるので、遊技機の未来もそこまで閉ざされていないかもしれません。
また、日本にカジノを造るとなったら、セガサミーなどを含めた遊技機メーカーが台頭してきますしね。
いずれにせよ、PER基準の目標株価が2,500円であることを踏まえると、大きな外乱がなければまだまだ「買い」のような気がします。
余談ですが、1949年に、群馬県桐生市にてメダル式・パチンコ機の製造・販売を始めた「平和商会」が、現在の平和の前身に当たります。
これが、平和のオリジンです。
その後も伊勢崎市に工場を構えるなど、群馬県にはとても所縁ある企業です。
ちなみに、「フィーバー」で有名なSANKYOも、ルーツは平和と群馬にあります。
~Fin~
- 関連記事
-
-
【推しの株】いきなりステーキを展開するペッパーフードサービス(3053)を投資する重曹ちゃんは購入していく 2023/06/15
-
【決算】バロックジャパンリミテッド(3548)の2021年2月期第2四半期の決算状況などについて 2020/10/15
-
【持株】意外な事業で儲けてる?パチンコ・パチスロ遊技機メーカ「平和(6412)」のご紹介 2021/03/20
-
【購入】サンデンホールディングス(6444)の株を購入してみました。〜事業再生ADR、カーエアコン〜 2020/10/03
-
【低迷】いきなりステーキの一瀬邦夫社長、業績悪化でいきなり辞任! 2022/08/16
-