【オートバイ】KAWASAKI W1SAの修理状況、スペック、諸元など
30数年不動車の状態だったW1SAを、昨年の夏から、ちょくちょく直し、今回始動させてみましたので、それまでの経緯等をまとめてみたいと思います。

イギリスにかつて存在したバイクメーカ「BSA(Birmingham Small Arms Trade Association)」のOHV(Over Head Valve)エンジンを搭載したオートバイが、W1SAの源流となります。
このBSAの技術を国内に持ち込んだのが「目黒製作所」であり、4サイクルのOHVエンジンを搭載した大排気量のオートバイの生産が日本で始まりました。

イギリスからその仕様等を導入したため、「右足シフトチェンジペダル・左足ブレーキペダル」という、現在では逆足仕様のオートバイが生産されました。
また、スーパーカブなどで使用される「ロータリー・チェンジ式(連続して踏み込むことでギアを上げていく機構)」を開発したのも目黒製作所と言われています。
その後、目黒製作所は川崎重工業に吸収され、メグロオートバイは、1966年にカワサキメグロから「KAWASAKI W1」として新たに生まれ変わりました。
W1は、その後マイナーチェンジが施され、1968年にシングルからツインキャブ等へ変更した「W1S(スペシャル)」が誕生し、その3年後の1971年にリンクを介して「右足ブレーキペダル・左足シフトチェンジペダル」に変更した「W1SA」が誕生しました。
なお、W1SA以降には、DOHCエンジンを搭載した750RS(通称Z2)の販売から約1年後の1973年に、Wシリーズの後継車として「650-RS(通称W3)」が誕生しています。
その後、現在までに、W1〜W3を踏襲して2気筒エンジンを搭載したW650やW800などのオートバイも開発・販売されています。
1971年当時と2012年の消費者物価指数を比較・勘案すると、現在購入するとなれば90万円くらいですかね。
また、現在のオートバイが6速が主流になっていることを考えると、4速は少ないように感じます。
あと、ブレーキは前後でドラム式です(ドラム式のブレーキは50ccのスクーターのイメージが強かったので、大型車に実装されていることに驚きを隠せません。)。
まずは、キックを踏み込んで圧縮があるか、そしてオイルが回るかどうかを確認し、その後バッテリーを繋いで電装系が生き残っているかを確認しました。
これらは、あらかた大丈夫なようでした。
主に、部品を取り替えたり、修理した部分は以下のとおりです。
また、クラッチ板の固着を取るために、プライマリーチェーンの外側のケースを開けたので、以下のガスケットも購入しました。
このガスケットを間に挟み込むだけでは、スピンドルオイルが漏れてきてしまうので、合わせて液体ガスケットも使用する必要があります。
プライマリーチェーンケースは以下の写真の赤丸部分です。

ネジで固定されているので、長年不動状態だった車両のものを開ける際には、薬品+インパクトで固着を取るようにしたほうが良いかもしれません(ドライバーだけで開けようとすると、ネジ穴をナメる可能性があります。)。
あらっぽく整備したわりに、エキゾーストサウンドも好調な様子です。
タコメータも不動だったのですが、ワコーズのラスペネなどを吹き付けたら動くようになりました。笑
では、今後また何か整備したらまとめてみたいと思います。

以上
●KAWASAKI W1SAのまとめ●
1.W1SAの概要

イギリスにかつて存在したバイクメーカ「BSA(Birmingham Small Arms Trade Association)」のOHV(Over Head Valve)エンジンを搭載したオートバイが、W1SAの源流となります。
このBSAの技術を国内に持ち込んだのが「目黒製作所」であり、4サイクルのOHVエンジンを搭載した大排気量のオートバイの生産が日本で始まりました。

イギリスからその仕様等を導入したため、「右足シフトチェンジペダル・左足ブレーキペダル」という、現在では逆足仕様のオートバイが生産されました。
また、スーパーカブなどで使用される「ロータリー・チェンジ式(連続して踏み込むことでギアを上げていく機構)」を開発したのも目黒製作所と言われています。
その後、目黒製作所は川崎重工業に吸収され、メグロオートバイは、1966年にカワサキメグロから「KAWASAKI W1」として新たに生まれ変わりました。
W1は、その後マイナーチェンジが施され、1968年にシングルからツインキャブ等へ変更した「W1S(スペシャル)」が誕生し、その3年後の1971年にリンクを介して「右足ブレーキペダル・左足シフトチェンジペダル」に変更した「W1SA」が誕生しました。
なお、W1SA以降には、DOHCエンジンを搭載した750RS(通称Z2)の販売から約1年後の1973年に、Wシリーズの後継車として「650-RS(通称W3)」が誕生しています。
その後、現在までに、W1〜W3を踏襲して2気筒エンジンを搭載したW650やW800などのオートバイも開発・販売されています。
2.W1SAの諸元
1971年の販売当時に公表されたスペックは以下のとおりです。 ●エンジン形式:空冷4ストローク2気筒OHV2バルブ
●総排気量(内径×行径):624cc(74×72.6mm)
●最高出力:53ps/7000rpm
●最大トルク:5.7kg・m/5500rpm
●圧縮比:9.0
●変速機:4速リターン
●全長×全幅×全高:2135×850×1100mm
●軸距離:1420mm
●車両重量:199kg
●燃料タンク容量:15L
●タイヤ前・後:3.25-19・4.00-18
●発売当時価格:348,000円
●総排気量(内径×行径):624cc(74×72.6mm)
●最高出力:53ps/7000rpm
●最大トルク:5.7kg・m/5500rpm
●圧縮比:9.0
●変速機:4速リターン
●全長×全幅×全高:2135×850×1100mm
●軸距離:1420mm
●車両重量:199kg
●燃料タンク容量:15L
●タイヤ前・後:3.25-19・4.00-18
●発売当時価格:348,000円
1971年当時と2012年の消費者物価指数を比較・勘案すると、現在購入するとなれば90万円くらいですかね。
また、現在のオートバイが6速が主流になっていることを考えると、4速は少ないように感じます。
あと、ブレーキは前後でドラム式です(ドラム式のブレーキは50ccのスクーターのイメージが強かったので、大型車に実装されていることに驚きを隠せません。)。
3.今回行った部品の取替えや修理など
2012年の夏から、車庫の奥に放置されていたものを引っ張り出して、分解・洗浄などを行いました。国道299を通ってオートバイで群馬に帰省中に、後ろのタイヤがかなり滑る感じがしました。...帰省後は、不動のオートバイ(W1SA)を整備してみました。...
まずは、キックを踏み込んで圧縮があるか、そしてオイルが回るかどうかを確認し、その後バッテリーを繋いで電装系が生き残っているかを確認しました。
これらは、あらかた大丈夫なようでした。
主に、部品を取り替えたり、修理した部分は以下のとおりです。
●バッテリー(YB7L-B)への交換
●ガソリンタンクのサビ取り(花咲かG仕様)
●フューエルコックの洗浄
●YAMAHAのキャブクリーナーでキャブレターの洗浄・調整
●イリジウムプラグ(IW16)への変更
●クラッチ板の張付きの解除
●タイヤ(前後)の交換
●ヘッドランプをハロゲン化
●ニュートラルインジケータ電球の交換
●ガソリンタンクのサビ取り(花咲かG仕様)
●フューエルコックの洗浄
●YAMAHAのキャブクリーナーでキャブレターの洗浄・調整
●イリジウムプラグ(IW16)への変更
●クラッチ板の張付きの解除
●タイヤ(前後)の交換
●ヘッドランプをハロゲン化
●ニュートラルインジケータ電球の交換
また、クラッチ板の固着を取るために、プライマリーチェーンの外側のケースを開けたので、以下のガスケットも購入しました。
このガスケットを間に挟み込むだけでは、スピンドルオイルが漏れてきてしまうので、合わせて液体ガスケットも使用する必要があります。
プライマリーチェーンケースは以下の写真の赤丸部分です。

ネジで固定されているので、長年不動状態だった車両のものを開ける際には、薬品+インパクトで固着を取るようにしたほうが良いかもしれません(ドライバーだけで開けようとすると、ネジ穴をナメる可能性があります。)。
4.不動車状態からの始動状況
キャブレターの油面の位置調整が大変でしたが、チョークなどをうまく使ってなんとか始動させることができました。あらっぽく整備したわりに、エキゾーストサウンドも好調な様子です。
タコメータも不動だったのですが、ワコーズのラスペネなどを吹き付けたら動くようになりました。笑
では、今後また何か整備したらまとめてみたいと思います。

以上
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